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【窯元探訪:17】聡窯(そうよう)

2020年05月15日

有田観光協会 at 10:20  | 窯元探訪・やきもののお店訪問
皆様に有田の窯元・やきもののお店をご紹介する【窯元探訪・やきもののお店訪問】

今日は『聡窯(そうよう)』をご紹介します。

【窯元探訪:17】聡窯(そうよう) 
聡窯(そうよう)は、1952年に創業した上有田駅にほど近い窯元です。現在は3代目の辻聡彦さんが受け継いでいます。
先代の頃より、白磁の陶板をキャンバスに、風景画や抽象画などの絵画を描いた陶板を制作されています。
先代はヨーロッパの風景を中心とした作品が多く、直線的な線に特徴がありますが、辻聡彦さんは曲線が特徴的な風景を多く描かれていらっしゃいます。
ギャラリー内には、陶板をはじめ、器や花瓶など、呉須の青を中心とした色使いの作品が多く展示されています。
【窯元探訪:17】聡窯(そうよう) 【窯元探訪:17】聡窯(そうよう)

聡彦さんは、学生の時から油絵を勉強され、その後アメリカへ留学し工業デザインを学ばれました。
3年の海外留学を経て有田町へ戻って来た時、有田の風景の素晴らしさに改めて気付いたとのこと。
棚田の美しい曲線や、日本独特の自然の風景を陶板に残したいと強い想いを抱いたそうです。
それが自分の転機だったと辻さんはおっしゃいます。
「ただ風景を描くだけでなく、情景を描いていきたいんです。美しい景色を見た時の感動や、驚きなどの感情を、作品を通して伝えたい。」
【窯元探訪:17】聡窯(そうよう)
辻さんの絵付けに対する情熱は技法にも反映されていて、陶板や器の成形後、半乾きの生地に下絵を描き、ディバイダーという製図用の道具を使って削りを入れていきます。
【窯元探訪:17】聡窯(そうよう) 【窯元探訪:17】聡窯(そうよう)
生地に掘りによる凹凸をつけ、めくれ上がる部分をわざと作っていきます。ここに絵付けをしていくことで、窪み部分に呉須の溜まりをつくり、色の濃淡や深みを出していくそうです。ニュアンスを出すために彫刻刀で掘りを入れることも。

【窯元探訪:17】聡窯(そうよう)
こちらの作品は、波の勢いとそれを見た時の凄さを感じた情感を表すために、抹茶をたてる時に使う道具である茶筅(ちゃせん)を使って、彫りの勢いを出したり、絵付けの筆のかすれを出したりしています。
このように、作品や、表現したい感情によって使う道具を変えているそうです。

【窯元探訪:17】聡窯(そうよう) 【窯元探訪:17】聡窯(そうよう)
こちらの作品は、スタンプのようなものを作り、花の表現に広がりを出されています。

情景を表現するために様々な工夫をし、手間をかけて制作する中で、一番喜びを感じるのは、お客様からの声を頂ける時だそう。
「個展で、お客様から地元の風景に似てるという声が聞けるのが嬉しいんです。地元の風景をリクエストされることもあるんですよ。」と熱いまなざしで語られていました。辻さんの絵付けは、有田の方だけでなく皆様にふるさとを感じさせるものなのでしょう。
辻さんの絵に対する情熱と創作意欲は有田の景色から培われています。

【窯元探訪:17】聡窯(そうよう)
本日は3代目・辻 聡彦さん にお話を伺いました。


聡窯(そうよう)
佐賀県西松浦郡有田町中樽1-5-14
TEL:0955-42-2653
E-mail:kiln@sohyoh.com
営業時間:8:00~18:00
定休日:不定 
※窯元においでの際には事前にご連絡をお願いいたします。
http://www.sohyoh.com

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