皆様に有田の窯元・やきもののお店をご紹介する【窯元探訪・やきもののお店訪問】。

今日は『光武商店』をご紹介します。



『光武商店』は有田町中の原地区にある、明治後期に創業されたやきもののお店です。

創業当時は、有田町や長崎県の波佐見町のやきものを取り扱う卸問屋だったそうです。その当時、有田町内にはやきものの卸問屋は少なく、大変繁盛したそうです。
その後、時代の流れと共に業務形態を変えられ、昭和45年に小売りを始められました。
店舗は建て直してありますが、創業時期の大福帳などの貴重な資料や、品物などが残っています。

　
大福帳には、"大正"の記載があり、その当時の商品の値段や物価などを計り知ることができます。
また、トロ箱には、うっすらと"明治"と"光武商店"の文字が書いてあるのが分かります。このトロ箱は現在もお店で使用されており、やきものの保管などに使われています。

こちらの掛け時計もかなりの年代物とのことで、文字盤には、時間を表す文字だけでなく、日付まで記されています。この時計も現役で動いているそうです。
有田ではこのように昔の道具や品物が今なお大切に使われ、ただ保管されているだけではない"生きた道具"であることを感じることができます。


また、光武商店の奥の座敷には、ゆっくりとくつろいで頂けるスペースがあり、美しく手入れをされた庭を眺めることができます。
｢この庭を見にお店に立ち寄るお客様もいらっしゃるんですよ｣とは、社長の光武正仁さん。

　
店内に入ると、有田焼をはじめ、波佐見焼など、多種多様な器が展示販売されています。

　
こちらは、2011年8月に有田の新・ご当地グルメとしてデビューした｢有田焼五膳｣の器です。
｢有田焼五膳｣とは、有田町の名産の一つである有田鶏を5つの調理法で調理し、有田焼の特別な器に盛り付けたご当地グルメです。
有田焼窯元こだわりのオリジナル器は、玉手箱や宝石箱がイメージされて作られており、蓋付きで献上紐が結ばれています。器は5種類あり、5種類すべての器が揃っている数少ないお店です。


　
光武商店では、地元商品だけでなく、京都の陶芸作家のやきものも取り扱っています。
こちらは、京都の伝統工芸士である 光武みゆき氏の作品です。
みゆき氏は、鳥獣戯画や動物をモチーフとした絵付けや、古典柄、古紋などを使いながらも現代風にアレンジした作風が特徴です。
今年は、大手ビール会社のCM、京都づくり編でも光武みゆき氏のビアカップが起用され、本人も職人として出演するなど、今注目の女流陶芸作家です。みゆき氏は光武商店社長の義娘でもあり、優れた作家であることから商品を店舗にて取り扱うこととなったそうです。

京都らしく、抹茶椀も充実しています。
有田焼と京焼の器を比べてみるのも面白さがありますね。


本日は、社長の光武正仁さんにお話を伺いました。

光武商店
佐賀県西松浦郡有田町中の原2-1-11
TEL：0955-42-2073
E-mail：arita-touki@tempo.ocn.ne.jp
営業時間：10:00～17:30
定休日：不定休