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【やきもののお店訪問:30】金照堂

2020年06月30日

有田観光協会 at 10:05  | 窯元探訪・やきもののお店訪問
皆様に有田の窯元・やきもののお店をご紹介する【窯元探訪・やきもののお店訪問】。

今日は『金照堂』をご紹介します。
【やきもののお店訪問:30】金照堂

『金照堂』は昭和36年に有田赤絵町で卸売業として創業されました。
昭和50年に有田焼卸団地協同組合の設立に参加され、現在、ショッピングモール・アリタセラにショールームを構えられています。
【やきもののお店訪問:30】金照堂 【やきもののお店訪問:30】金照堂

金照堂を代表する商品は、2015年に開発された「麟 Lin(リン)」シリーズ。
ネーミングは、金子社長の曾祖父である赤絵職人、金子麟蔵氏の名前から付けたものだそうです。麟蔵氏は明治期から昭和初期にかけて、高いデザイン力と技で金照堂の基礎を築かれた方です。
【やきもののお店訪問:30】金照堂 【やきもののお店訪問:30】金照堂
この「麟 Lin(リン)」は、南部鉄瓶から着想し、試行錯誤しながら開発されたそうです。
磁器とは思えないメタリックな質感と幻想的な色合いの絵付けは、全て手描きです。見る角度で色が変わるという試作当初の予想を超える出来映えで、驚きと手応えを感じられたそうです。上の画像のように同じ商品でも角度によりカラーが変わって見えます。

「麟 Lin(リン)」は、『ギフトショー』へ出展すると、たちまち注目され、大ヒット商品となりました。
高い製作技術が必要な「麟 Lin」は、大変手間がかかることから、発売当初は3か月待ちだったとか。
「麟 Lin(リン)」の快進撃は現在も続いています。
北米最大級のギフト関連製品の展示会『NY NOW(ニューヨーク ナウ)2019』においては、「BEST IN SHOW」を受賞し、国際的にも高い評価を得ています。

また、2020年の『ふるさと祭り東京2020』おみやげグランプリでは、グッズ・ノベルティ部門のグランプリと、観光庁長官賞をW受賞されました。
【やきもののお店訪問:30】金照堂(受賞した「麟 Linショットグラス」) 【やきもののお店訪問:30】金照堂(富嶽三十六景シリーズ)
これは、金照堂が以前より発売していた「富嶽三十六景」シリーズから「麟 Lin」の富士山ショットグラスを制作し、受賞されたものです。
幅広い年齢の方に支持されている「富嶽三十六景」シリーズはギフトとして人気のアイテムだそうで、グラスをはじめ、スマホスタンドなど幅広くオリジナル商品を制作されています。


有田焼創業400年の2016年、佐賀県の事業でアメリカの市場開拓がはじまり、3年間アメリカでの展示会に参加されました。
そこで海外でのビジネス展開をしている友人と出会い、県の事業が終わった現在も、そのご縁で、単独でNYでの展示会に出展されています。
【やきもののお店訪問:30】金照堂 【やきもののお店訪問:30】金照堂
ニューヨークの展示会に出展するにあたり、「Lin NY(リンニューヨーク)」として新たなカラーを展開。海外のお客様の好みをリサーチし、渋い金色のアースカラーや、パールカラーを制作されました。海外の方だけでなく国内の、特に男性に人気の商品になったとか。

『「麟 Lin」シリーズを購入される55%は男性なんですよ。普通は有田焼を購入されるのは女性が多いんですが、このシリーズは特別ですね』と語るのは社長の金子真次さん。

【やきもののお店訪問:30】金照堂
男性だけでなく、女性にももっと麟 Linを使ってほしいという気持ちから、 麟 Linの妹版である「mint(ミント)」も販売されました。麟 Linの持ち味である光沢はそのままに淡いパステルカラーが美しい商品です。上絵で質感を出しているそうです。

【やきもののお店訪問:30】金照堂
今年は新商品として、「Lin NY」から更に展開した「Lin NY+(プラス)」を発売されました。
これは、酸化チタン光触媒によるコーティングが施されたもので、抗菌、防カビなどの効果が期待できるというものです。
外壁や内装、タイルに使われている技術ですが、やきものの抗菌ということで、麟 Lin の個性や風合いを損なわない美しい仕上がりを保ちつつ抗菌コーティングするという難しい取り組みだったそうです。
専門家に助言してもらい、試作を繰り返し、専門機関での検査などクリアしてやっと制作、販売するとこができたのだとか。
一般発売の前に、インターネットのサイト、Makuakeでクラウドファンディングにも挑戦。目標金額の4倍を超える支援金を集めることができ、自信になったとか。
3色展開で、パール、ブルーパール、ブラックパールがあり、マグカップやポットを制作されています。
今の社会情勢に合った抗菌商品は、食器以外の分野でも進めていきたいとおっしゃっていました。

【やきもののお店訪問:30】金照堂
食器以外の分野というと、麟 Linはインテリア商品も制作されています。「麟 Linタイル」です。海外ではインテリアに興味を持つ方が非常に多く、タイルにも注目が集まっています。



【やきもののお店訪問:30】金照堂
金照堂では、"箸置き"にも力を入れています。
2019年10月4日 (陶器の日) に、佐賀県陶磁器商業協同組合でスタートした「肥前・有田 箸置きプロジェクト」。
多様な色や形の「箸置き」を通して、箸置きのある丁寧なくらしを提案し、日本の食文化の素晴らしさや、食卓の新たな楽しみを感じてほしいというのがこのプロジェクトです。

【やきもののお店訪問:30】金照堂 【やきもののお店訪問:30】金照堂
金照堂のオリジナル箸置きは電車。昔の103系の電車をイメージしたとのことで、山の手線や阪急電車など、様々な電車を制作されました。電車が好きな方には是非使っていただきたいアイテムです。
また、国旗の箸置きもありました。先進7か国を揃えて"G7(ジーセブン)"など、思わずコレクションしたくなる箸置きです。

箸置きはふるさと納税でも展開されているそうです。ぜひチェックしてください。

国内だけでなく、海外のお客様のハートをつかんだ金照堂のやきもの。
麟 Linシリーズのさらなる進化に目が離せません。

【やきもののお店訪問:30】金照堂
本日は、社長の金子 真次さんにお話を伺いました。


金照堂
佐賀県西松浦郡有田町赤坂丙2351-169 (アリタセラ)
TEL:0955-43-2007
E-mail:kinshodo@peace.ocn.ne.jp
営業時間:9:00~17:00
定休日:年末年始




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