皆様に有田の窯元・やきもののお店をご紹介する【窯元探訪・やきもののお店訪問】。

今日は『文翔窯(ぶんしょうがま)』をご紹介します。

　
『文翔窯(ぶんしょうがま)』は、有田町戸杓(としゃく)にある窯元で、平成3年に創業され、親子二代で小物を中心としたやきものの商品をつくられています。
創業前は別の会社で食器を作っていたそうですが、個人宅用に有田焼でコンセントカバーを作ったのがきっかけで、小物や生活雑貨を有田焼で制作するようになられたそうです。
｢今までとは違うものを作りたい。人の作らないものをやろう｣という気持ちから文翔窯を立ち上げられたそうです。

創業当時は、有田焼の小物や生活雑貨制作はまだまだ少なく、周りからは反対や心配の声が上がったのだそう。
それもそのはず、既存のコンセントカバーは、400～500種類。その分の型も必要です。
コンセントカバーを手掛けた当初は、当然元となる型があるはずもなく、全国を回って型や部品の材料を探されたそうです。そんな大変な思いをしながらもチャレンジしたのは、ものづくりに対する探究心。他の人がしない事をするという楽しさが、創業者である森田さんを突き動かしたそうです。
　　
その後、様々な商品を開発。
文具をはじめ、小物や生活雑貨など数百種の商品を開発されました。

現在は、二代目で息子の森田文一郎さんが商品開発をされているそうで、中でも力をいれているのはカトラリーや文具だそうです。

こちらは文一郎さんのブランド｢文文bunbun(ブンブン)｣のボールペン。

　
左の画像は創業者である先代の文具です。先代は染付や赤絵など伝統的な絵付けが美しい作品でしたが、右の画像の文一郎さんの作品は形で魅せる作品。磁器の素材感を生かした文具を制作されています。
先代から二代目に受け継がれた商品開発力は、同じカテゴリーの作品でも、作る本人の"味"がブレンドされ、新しい個性が生まれています。


こちらの箸置きも、彫りや色味で特徴を出し、シンプルにすることによって、料理を選ばず合わせやすくする工夫がされています。
また、文一郎さんオリジナルの作品もあります。

こちらはペンギンの置物・・ではなく酒器だそうです。可愛らしいフォルムですので、もちろん飾ってもよし、花器としても使用できます。
｢面白いと思うものにはどんどん挑戦していきたいですね。ちょっと変わった作品だったり、ひとつの使い方だけでなく、お客様に使い方をゆだねることができる作品だったり。｣そう語る文一郎さんには、人とは違うものを作りたいという気持ちや、ものづくりに対する探究心が溢れています。
形を変えながらも、根底にある想いは先代から受け継がれたものに他なりません。


本日は、社長の森田 文一郎さんにお話を伺いました。


文翔窯
佐賀県西松浦郡有田町戸杓丙147-36
TEL：0955-43-2392
営業時間：9:00～17:00
定休日：土日、年末年始
※お越しの際には事前にご連絡下さい。