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【窯元探訪:54】窯元伊兵衛

2021年07月04日

有田観光協会 at 10:00  | 窯元探訪・やきもののお店訪問
皆様に有田の窯元・やきもののお店をご紹介する【窯元探訪・やきもののお店訪問】。

【窯元探訪:54】窯元伊兵衛
今日は有田町、上幸平にある「窯元伊兵衛(かまもといひょうえい)」をご紹介します。

【窯元探訪:54】窯元伊兵衛
「窯元伊兵衛」では主に白磁に色絵のモチーフと余白が生かされた柿右衛門様式や鍋島様式と呼ばれるデザインをメインに、日用食器や工芸品を製造・販売されています。
有田町内の店舗はもちろん、オンラインでの販売や、東京や大阪などのデパートでの催事なども定期的に出展されてらっしゃいます。

【窯元探訪:54】窯元伊兵衛
「窯元伊兵衛」は以前は舘林古琳庵(こりんあん)窯という名前で昭和50年(1975年)創業、窯主の舘林尚徳さんで三代目の窯元です。
舘林さんのお爺様は柿右衛門で職人をされていたそうで、作風も色絵が多いのはお爺様が原点なんだそうです。またお爺様より更に二代前からやきものを作られていたそうで、
「窯元伊兵衛」の「伊兵衛」とは、舘林さんの曽祖父様のお名前で、2017年に窯の名前を「伊兵衛」にされたそうです。
そして2020年4月に重要伝統的建築物群保存地区である内山地区にお店を移転されました。

【窯元探訪:54】窯元伊兵衛【窯元探訪:54】窯元伊兵衛
「窯元伊兵衛」のお店の中には「山水堂」という看板が。以前は「山水堂」というお店だったそうで、今でも「山水堂」と慕って訪れるお客様が多く、せめて看板だけでも面影を残してあげたい、という想いで、店内の壁とショーウィンドウに「山水堂」の看板を残されているそうです。

【窯元探訪:54】窯元伊兵衛【窯元探訪:54】窯元伊兵衛
店内には、かつての「山水堂」のオーナーがそのまま建物に残された大きなやきものが。中には大きな壺に金の細工が付けられた豪華な燭台も。この燭台については詳しくはわからないそうですが、壺や大皿など、美術品としての有田焼が店内のあちこちに残してありました。
有田ならではの光景ですね。

【窯元探訪:54】窯元伊兵衛
「窯元伊兵衛」のイチオシ商品の1つは減塩をサポートすることができるという硯からアイディアを得たという「減塩味わい皿」。四角い形を始め、円型もあります。
各メディアでも取り上げられたりして人気の商品のひとつだそうです。
種類は限定されますが、有田観光協会のある「有田館」でも購入できます。

【窯元探訪:54】窯元伊兵衛【窯元探訪:54】窯元伊兵衛
またお土産にも人気なのがこちらのミニプレート。
ちょっとしたお漬物やお菓子を載せたり、カトラリーレストとしても外国人の方にも人気だそうです。小さくて重ねやすく、絵柄も豊富なので思わず集めたくなりますね。

【窯元探訪:54】窯元伊兵衛【窯元探訪:54】窯元伊兵衛
「窯元伊兵衛」の商品は昔ながらの有田焼らしさを残す色合いですが、よくよく見てみると桜や梅の花などの季節の花のデザインの中に、可愛らしいリンゴやイチゴ、ブルーベリーなどのフルーツモチーフの絵柄もありました。
絵柄パターンは昔ながらのものから、ポップで可愛いフルーツモチーフも含めて400を超えるそうです、小皿なども現在全てお一人で製作されているとの事です。今後はお爺様と同じように工芸品の方にも力を入れていきたいとおっしゃっています。

【窯元探訪:54】窯元伊兵衛【窯元探訪:54】窯元伊兵衛
美術工芸品としての作品の中には色合いは有田焼なのですがあまり見かけない文様も。
舘林さんは「イズニック」と呼んでいるそうですが、トルコのタイルの文様をモチーフにされているそうです。確かにちょっとエキゾチックな感じがしますね。
有田焼とトルコの文様…ありそうでない組み合わせが面白いです。

【窯元探訪:54】窯元伊兵衛
現在制作中の作品も見せていただきました。まだ線画の状態ですが
有田焼によく使われている色合いやタッチですが、描かれているお花はあまり見ることのない雰囲気です。モチーフは更紗文様に使われる花だそうで、こちらもちょっとエキゾチックな雰囲気です。
主に色絵が多いイメージですが、2,3年前から染付の作品も作っているそうです。

【窯元探訪:54】窯元伊兵衛
染付けの祥瑞柄(しょんずいがら)のお茶碗が。外側にも内側にもびっしり、繊細な文様が描かれています。また隣には染付の祥瑞柄と対になる赤絵の祥瑞柄のお茶碗も。
「これは花赤という特別な赤絵の具を使った祥瑞柄です、これも焼く温度で色が全然違うものになります。温度が高いとあずき色っぽくなったり、低いと黄色っぽくなるので赤が一番難しいです。」と舘林さん。

【窯元探訪:54】窯元伊兵衛
「もっと手描き作品を充実させてお爺さんの頃に作っていた大皿などの工芸品を復刻させたいですね、昔ながらのものと、時代に合った絵柄の作品をこれからも作っていきたいです。今は小さい電気窯ですが、いずれはもう少し大きい窯で焼きたいですね」。
「今はコロナ禍もあってオンラインショップで購入もできますが、やはり現物を見て、手に取って欲しいです。不定期ですけれど、運が良ければお店で窯出し風景を見る事ができます」。と、階段下にある電気窯も見せてくださいました。

手描きならではの個々の色合いや個性など、リアルに手に取らないと見れないものも多く並んでいます。窯出しのタイミングもありますが窯元ならではの体験をしてみてはいかがでしょうか?是非有田に来られた際は、お立ち寄りください。
有田ならではの色合いと意外なデザインが組み合わさった新作が出るのも楽しみですね。

【窯元探訪:54】窯元伊兵衛
本日は、『窯元伊兵衛』の舘林尚徳 さん にお話を伺いました。

「窯元伊兵衛」
〒844-0003
佐賀県西松浦郡西松浦郡有田町上幸平2-3-9
TEL:0955-29-8066
Mail:info@ihyoei.jp
営業時間:11:00〜17:00
定休日:不定休
https://ihyoei.jp
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