目的で探す

準備の裏側

佐賀県立九州陶磁文化館「新収蔵品展1 古伊万里から現代作まで」

2023年06月11日

有田観光協会 at 10:00  | その他イベント
皆様こんにちは!
今回は5月より佐賀県立九州陶磁文化館にて開催中の「「新収蔵品展1 古伊万里から現代作まで」をご紹介します。

佐賀県立九州陶磁文化館「新収蔵品展1 古伊万里から現代作まで」
有田焼とは何か!を最も分かりやすく、歴史をはじめ、有田焼について学べる美術館、佐賀県立九州陶磁文化館。
この度、購入や寄贈などにより新たにコレクションとなった作品のうち、42件51点が第五展示室にてお披露目されています。

その一部をご紹介させていただきます。
※作品写真は佐賀県立九州陶磁文化館よりお借りしました。

佐賀県立九州陶磁文化館「新収蔵品展1 古伊万里から現代作まで」
色絵花盆文大皿
肥前 有田/1700~1730年代
ザクセン選帝侯アウグスト強王旧蔵品
佐賀県立九州陶磁文化館所蔵

第5展示室の入り口に入ってすぐ、今回の目玉でもあるこの器は「色絵花盆文大皿」(いろえかぼんもんおおざら)でアウグスト強王の旧蔵品。
アウグスト強王とは、ザクセン選帝侯フリードリヒ・アウグスト1世の通称で、ヨーロッパ発の磁器窯であるマイセン窯を設立させました。
東洋磁器をコレクションされていた事でも有名です。

ドレスデンの所蔵目録によると、この器はアウグスト強王旧蔵品9枚の器のうちの1枚だそうです。
その大きさもさることながら、赤や金で描かれた木目や葉脈などの細かさが際立つ繊細な絵付けが印象的です。

佐賀県立九州陶磁文化館「新収蔵品展1 古伊万里から現代作まで」
染付波文龍貼付広口花瓶
長崎県 三川内/明治時代 19世紀後半
佐賀県立九州陶磁文化館所蔵 山口直輝氏寄贈


やきものの色々なモチーフの中でも、龍や獅子、麒麟など、「幻獣」と呼ばれる想像上の生き物がモチーフになったものが大好きな私のイチオシは「染付波文龍貼付広口花瓶」(そめつけなみもんりゅうはりつけひろくちかびん)です。

染付で描かれた繊細な波と、その上に巻き付いた白磁の龍。
特に注目したのが、龍のうろこ一枚一枚が立体的に表現されていて、とても美しい作品です。
龍の表情や、爪のリアルさには本当にこんな生き物がいるのでは?と思わせる生き生きとした姿が印象的でした。

佐賀県立九州陶磁文化館「新収蔵品展1 古伊万里から現代作まで」
色絵花鳥文蓋付サーバー
肥前(佐賀県)/有田 1875~1890年代
佐賀県立九州陶磁文化館所蔵 


佐賀県立九州陶磁文化館「新収蔵品展1 古伊万里から現代作まで」
染付雲鶴文杏葉紋花瓶
佐賀県 有田/香蘭社/1910~1920年代
佐賀県立九州陶磁文化館所蔵 音成志津子氏寄贈


また、「近代の肥前陶磁器」では香蘭社製の海外に輸出された、こんなものまで有田焼?となりそうな見事な装飾の「色絵花鳥文蓋付サーバー」や、
鶴の陽刻が美しい「染付杏葉紋雲鶴文花瓶」など、職人の技術の高さが伺えます。

佐賀県立九州陶磁文化館「新収蔵品展1 古伊万里から現代作まで」
また絵付け以外にも日ごろ使っているものとは比べ物にならないような、紙のように薄く繊細に作られたものなど、
その薄さにも注目です。

佐賀県立九州陶磁文化館「新収蔵品展1 古伊万里から現代作まで」
色絵花鳥文角瓶収納螺鈿箱
肥前 長崎/1840~1870年代
佐賀県立九州陶磁文化館所蔵

やきもの以外にも、注目したのが第1展示室に展示されている「色絵花鳥文角瓶」とセットになる「色絵花鳥文角瓶収納螺鈿箱」(いろえかちょうもんかくびんしゅうもうらでんのはこ)。

佐賀県立九州陶磁文化館「新収蔵品展1 古伊万里から現代作まで」
オーロラ調に輝く竹や花が描かれている部分は「青貝細工」と呼ばれる長崎の螺鈿(らでん)細工です。
長崎で制作された螺鈿細工入りの漆器の箱で「色絵花鳥文角瓶」が収納するために特別に作られたものだそうです。

佐賀県立九州陶磁文化館「新収蔵品展1 古伊万里から現代作まで」
また、「現代の陶芸作品」では、近年受賞された「有田国際陶磁展」の作品が展示されており、
伝統が受け継がれ、さらに技術が磨かれているのかが分かります。

写真だけではお伝えできないのが残念ですが、絵付けの繊細さ、陽刻などの技術など、やきものの表現の奥深さを感じる事が出来ます。

是非、直接足を運んでいただき、その繊細な作品の数々をご覧ください。

佐賀県立九州陶磁文化館 新収蔵品展1 古伊万里から現代作まで

【会場】佐賀県立九州陶磁文化館 (西松浦郡有田町戸杓乙3100-1)
    第5展示室 (一部は他の展示室に展示)
【会期】2023年5月20日(土)~7月9日(日)まで
【開館時間】9:00~17:00 ※月曜日休館 (月曜日が祝日・休日の場合は直後の平日が休館)
【観覧料】無料
【出品作品】42件51点
【問】佐賀県立九州陶磁文化館 TEL:0955-43-3681
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

同じカテゴリー(その他イベント)の記事画像
有田工業高校の「令和5年度第55回 卒業制作展」に行ってきました!
有田町内の松浦鉄道の駅名ボードに「西浦ありさ」さんのイラストが登場!
小路庵「有田焼×古民家×日比谷花壇「いけばなワークショップ」」イベントレポート
龍泉寺の十八夜
有田へようこそ!「九州の中の韓国探し」
「36ぷらす3」お出迎えのお子さまへのオリジナルこども制服贈呈!
同じカテゴリー(その他イベント)の記事
 有田工業高校の「令和5年度第55回 卒業制作展」に行ってきました! (2024-01-18 11:00)
 有田町内の松浦鉄道の駅名ボードに「西浦ありさ」さんのイラストが登場! (2023-12-21 13:30)
 小路庵「有田焼×古民家×日比谷花壇「いけばなワークショップ」」イベントレポート (2023-10-27 10:00)
 龍泉寺の十八夜 (2023-08-26 10:00)
 有田へようこそ!「九州の中の韓国探し」 (2023-04-11 13:00)
 「36ぷらす3」お出迎えのお子さまへのオリジナルこども制服贈呈! (2023-03-31 17:00)