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【ガイド研修講座第8回】梶謙製磁社 型の美術館

2021年08月21日

有田観光協会 at 10:00  | 観光ガイド研修
有田を観光する際に、史跡や有田に関する豆知識などをより楽しくディープに知ることができる有田観光協会の「観光まちなかガイド」。
定期的に行われている、観光ガイド研修の様子を本日もレポートします。

第7回の「黒牟田地区・しん窯」は参加できませんでしたので、工房の中を写真のみでのご紹介します。
【ガイド研修講座第8回】梶謙製磁社 型の美術館【ガイド研修講座第8回】梶謙製磁社 型の美術館
黒牟田地区にある老舗の窯元、しん窯の工房の様子。職人さんが絵付けをされている様子と整然と並べられた石膏型。うーん行きたかったです。


【ガイド研修講座第8回】梶謙製磁社 型の美術館【ガイド研修講座第8回】梶謙製磁社 型の美術館
今回の第8回は同じく黒牟田地区にある「梶謙製磁社 型の美術館」へ研修です。
朝からの激しい雨の中、ガイドの皆さんに集まって頂きました。

【ガイド研修講座第8回】梶謙製磁社 型の美術館
型の美術館ときいて、真っ先に思い浮かんだのが「鋳込み」で使う石膏型。石膏型がいっぱいあるのだろうか…?と勉強するまでは思っていましたが、こちらの型の美術館は「柿右衛門窯」などでも現在でもつかわれている手法、「型打ち製法」の土型・木型の美術館です。江戸時代から昭和まで使われていた多用な型をまとめてみる事ができるのはここだけ!

【ガイド研修講座第8回】梶謙製磁社 型の美術館
梶謙製磁社の梶原社長にご案内していただきました。
【ガイド研修講座第8回】梶謙製磁社 型の美術館
この日のガイド研修は関東在住でzoomで参加しているガイドさんも。一緒に解説をしてもらっています。

【ガイド研修講座第8回】梶謙製磁社 型の美術館
元は別の窯元の建物だったというこの美術館は江戸時代に建てられたものだそうです。
内部には土型や大皿用の型がずらり。これは残っていた数千点のうちの一部なんだそうです。

【ガイド研修講座第8回】梶謙製磁社 型の美術館
江戸時代に佐賀藩の管理下でやきものを作っていた有田。この黒牟田地区では指定の製品を作るように命じられていて、角形、小判型のものが製造されていました。

【ガイド研修講座第8回】梶謙製磁社 型の美術館【ガイド研修講座第8回】梶謙製磁社 型の美術館
今でもたまに見かける鯛の形のうつわ。 明治期に人気だったというこちらのお皿は鱗のひとつひとつまで繊細に描かれています。
【ガイド研修講座第8回】梶謙製磁社 型の美術館【ガイド研修講座第8回】梶謙製磁社 型の美術館
大きさも様々。鱗を克明に彫られた複雑な鯛や、つるんとした柔らかいシルエットがかわいい鯛など、様々な鯛の形のうつわが並んでいます。

【ガイド研修講座第8回】梶謙製磁社 型の美術館【ガイド研修講座第8回】梶謙製磁社 型の美術館
中には細かい彫りがはいった作品も、季節の花や鳥の模様が彫られています。立体的なデザインも素敵です。
土型は江戸・明治期には赤土を使って作られていたそうですが、大正時代に入ると、泉山の陶石も混ぜて作られるようになったそうです。1尺~3尺(約90cm)くらいまでは土型で、それ以上の大きさになると重くて動かせなくなるため、木を利用して作られていました。

【ガイド研修講座第8回】梶謙製磁社 型の美術館
一番大きなものが4尺(120cmほど)の大皿の型。木と木を組み合わせて綺麗につなげてあります。

【ガイド研修講座第8回】梶謙製磁社 型の美術館
この型で作られたものがこちらになります。ダイナミックに描かれた虎と龍、繊細な周りの文様も素晴らしいですね。
真ん中あたりはどうやって描いたんでしょうか…?(梶原さん曰く、詳しくは不明、おそらく台か何かを置いて上から描いていたのでは?との事)

【ガイド研修講座第8回】梶謙製磁社 型の美術館
こちらの大きな四角いのは…?
なんと神社の鳥居の真ん中にある名前の入るあの四角い部分だそうです。焼成すると縮むので完成品はひとまわり小さくなりますが、それでもこんなに大きなものを作られていたということはかなり大きな鳥居だったという事でしょうね。

【ガイド研修講座第8回】梶謙製磁社 型の美術館
足で蹴って使う、木製の蹴ろくろ(けろくろ)も展示されていました。今では電動ですが、足で蹴りながらろくろを回す作業、大変そうです。
大きなものになると一人が成形を、もう一人が手で回すという「手ろくろ」があります。息の合った作業が求められますね。

【ガイド研修講座第8回】梶謙製磁社 型の美術館
沢山ある型の中でも淵がまるくなってしまったり欠けたりして修正されたものは長く何度も何度も使われた痕跡だそうです。この型で沢山作られたやきものは、色々な所に流通して行ったんだろうなぁと考えるとなんだか誇らしいですね。もしかしたらまだどこかで使われているかもしれません。

型だらけの美術館!という一風変わった美術館。完成した製品の見学だけでは物足りない!やきもの作りの工程についてもっと知りたい!という方にも是非ご覧になっていただきたいです。
予約していただければ見学が可能だそうです。詳細はコチラ→梶謙製磁社 型の美術館

次回の研修は幸楽窯と有田ポーセリンラボ工場の予定です!
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