皆様に有田の窯元・やきもののお店をご紹介する【窯元探訪・やきもののお店訪問】。

今日は『賞美堂本店』をご紹介します。


『賞美堂本店』は1948年創業の、72年目になるやきもののお店です。

もともとは呉服屋を営んでいた先々代が、赤絵町で先代と共に、やきもののお店を始められたそうです。
その後、中の原で店舗を構えられ、現在は、中の原店と有田焼のショッピングモール・アリタセラで営業されています。本日はアリタセラ店にお伺いしました。
　


『賞美堂本店』のオリジナルブランドであり看板商品の｢其泉(きせん)｣。約30年前にオリジナル商品を手掛けられた頃から現在まで、お客様に愛され続けているシリーズです。
　
創業者の生みの親の戒名の中にあった「其泉」と、育ての親の俳号「竹亭阿雀(ちくていあじゃく)」から名付けられた為、其泉のロゴには上部に竹の絵が入っているそうです。
記録では、約30年前に開発されたシリーズとありますが、先々代の時代の商品にも、同じく｢其泉｣と記載されているものがあることから、もっと以前からオリジナル商品を制作されていたのではないかということです。
｢其泉｣シリーズの種類、絵柄共に豊富で、調度品から箸置きまであらゆる品が揃っています。
お土産としてはもちろんのこと、記念品や贈答品として、まとまって購入される場合も多いそうです。外務省や病院、ホテルなど、お求めになる企業も様々です。
　
こちらの商品は、2010年に、"魅力ある日本のおみやげコンテスト"でグランプリに輝いたワインカップです。
古伊万里調の文様に金襴手の彩色がされた、高級感ある華やかな絵柄です。
大変人気がある商品で、お客様が｢送って喜ばれたから｣とリピートされることも多いのだとか。


　
こちらは2020年2月に発売された新商品の｢ゆいからくさ｣。
有田焼を代表する伝統的な三様式の1つ"鍋島様式"にて用いられていた唐草文様を、モダンな装いにアレンジした商品です。
組紐を結ったような様子から、『ゆいからくさ』 と名付けられました。
開発のきっかけは、連続する唐草文様の規則性がかわいらしく、これを現代風にできれば、若い方も受け入れやすいのでは・・と考えられたそうです。

｢古典柄の器には、華やかな色使いや絵柄も多く、何の料理をのせればよいかわからないというお客様もいらっしゃいました。年に1度お正月だけ使っているという声を聞いて、毎日でも使って頂ける古典柄を、と思ったのもきっかけです。｣と語るのは、蒲地亜紗さん。

色の系統をまとめることで、料理がイメージがしやすい器ができたそう。
　
カラーは4色展開で、質感は2通り。金色とプラチナカラーはマットな質感にして、大人っぽいイメージで制作されています。赤絵、染付を代表する赤色と青色の器はつるんとした艶やかな質感で、カジュアルに使えるポップな商品です。若い方には、マットな質感のプラチナカラーが人気だそうです。
形状は、古来より和食器で親しまれてきた"花形"、"なで角"、"四つ葉形"を採用。器に深みがあることで、汁気がある料理にも対応できるように選んだ形状なのだとか。
和食、洋食、中華と、どんな料理にも合い、食卓にすっと溶け込みつつ料理を格上げしてくれる｢ゆいからくさ｣は評判も上々です。


　
賞美堂本店の磁器製フィギュアブランド「momoco(モモコ)」の中から、テディベアをモチーフとした「momoco bear(モモコベア)」です。
もともと磁器製の人形が大好きだった社長が、世界に愛され、愛情が伝わる人形を作りたいという気持ちから制作されたものです。

発売当初から大人気だった「momoco bear」の絵柄として代表的なものは、上の画像のように文様が入ったもの。この文様は古典柄の中から、縁起が良い文様を専門家にひとつひとつ相談しながら決められたそうです。
「momoco bear(モモコベア)」は、様々な窯元や作家とのコラボや、企業ともコラボ制作をされており、プロスポーツチームの特注品として、チームユニフォームを着たベアなども制作されたそうです。
また、新型コロナウイルスでの自粛期間中は、皆様にご自宅で楽しんで頂くため、転写シールを用いた絵付け体験ができるキットを販売されました。有田焼で実際に使われている転写シールをmomoco bearに貼ることで、オリジナルのベアを制作できるというものです。
このキットを使ったワークショップは2020年2月に東京のアート展示会で大人気となり、問合せや依頼も多いのだそうです。
今後も新しい文様の企画や展開を予定されている｢momoco bear｣から目が離せませんね。

本日は、営業部の蒲地 亜紗さんにお話を伺いました。

　
賞美堂本店
佐賀県西松浦郡有田町赤坂丙2351-169 アリタセラ内
TEL：0955-42-2261
営業時間：10:00～17:00
定休日：年末年始(12/31、1/1のみ）