皆様に有田の窯元・やきもののお店をご紹介する【窯元探訪・やきもののお店訪問】。

今日は『芳翠(ほうすい)窯』をご紹介します。


『芳翠(ほうすい)窯』は、創業から約45年になる窯元です。創業当時は、有田町中樽に窯を開かれましたが、約20年前に、有田町黒牟田に窯を移されました。

社長である 梶山 芳憲さん はろくろ師であり、重要無形文化財保持者(人間国宝)である 井上 萬二氏 に師事。井上 萬二氏 の弟子第1期生だったそうです。
芳憲さんは、花器を中心に作陶されており、その絵付けは奥様の 梶山 由美子さん がされています。
　
由美子さんは、絵付けの他にも、手作り陶器人形を手掛けていらっしゃいます。
もともと絵を描くことが好きで、下絵付け、上絵付を学ばれましたが、ご主人の芳憲さんが創り出す花器を見て、自分でも形から作ってみたいと強く思ったそうです。
そこから試行錯誤しながら手作りで作り始めた人形でしたが、制作した人形は有田陶器市で大人気だったそうです。


｢型ではなく手作りにこだわっていきたいんです。ひとつひとつの表情や形の違いに人の手のぬくもりを感じてもらいたくて。｣と語る由美子さん。人形たちのあどけない表情の中に優しさを感じることができます。
人気の人形は、こちらのピエロ。贈り物にされる方や、コレクションされる方など、固定客も多く、陶器市が延期となった今年は、工房までわざわざ買い求めに来られたそう。


また、季節の商品も制作されています。
特にお雛様は種類も多く、人気商品のひとつです。可愛らしいフォルムとお雛様たちの表情に癒されますね。このお雛様は、"有田雛(ひいな)のやきものまつり” の時期には、有田焼のショッピングモール・アリタセラや、伝統文化の交流プラザ・有田館などで販売されています。

　
こちらの手描きの陶板は、記念品として注文が多いそうです。帽子の女の子の服は筆での絵付けではなく、布を呉須で染め、陶板にたたき色を入れることによって服の質感を表現しているそうです。

ひとつひとつ微妙に違う表情や、形の面白さを大切にしている由美子さん。今後もぬくもりある人形達を作り続けていくとのことです。
本日は 梶山 由美子さん にお話を伺いました。



芳翠(ほうすい)窯
佐賀県西松浦郡有田町黒牟田丙3080-1
TEL：0955-43-3249
営業時間：9:00～17:00
定休日：不定